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東大ノート(中医協)

中医協のお話でした。

医療をマーケットにして、お金を会社に吸い上げようというシステムを作ろうとしている産業界は、いいの?、と思いました。患者さんにそのお金が返ってくるのならいいけれど、今の状態では他の産業にお金は散乱してしまうでしょう。
…問題大きいんだけれどなあ。

保険で認められない薬があるというならば、
差額ベッドを利用するとか、隣に自由診療専門のクリニックをたてるとか、やりようはいくらでもある。結局、勉強不足の医療関係者と、お金儲けしたい外の人たちが入り乱れて、変なはなしになっちゃっている。

混合診療。
害しか巻き起こさないと思う…


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1208 中医協

●渡辺先生

社会保障全体の中での医療保険制度について今日は話す

年金 ・・国民の最大の関心事
 しかし、国民はまったくシステムも本質もしらない
 この1年、国民が年金に参画できた!

 社会福祉
  ヨーロッパ型の福祉を 政治の上の方が求めていた
    高福祉高負担
   閉鎖的な制度が長く続いた
   経済界もバカだった
   
   国民がめくらの世界にあった。

 税は、企業社会によって支えられた
 コストは、すべて企業が担った
 
 ところが、パート化が進み、健全な企業体系が解体された
 
 →保険の受給者からお金があつめられなくなった
 
 (経済界が、パートになるような人々を切り捨てたのでは?)
 (社会保障を支える構造を考えなければ)
 
 税による公的負担
 
  52兆円が保険料 26兆が国の財政から
  国の財政が、700兆の借金を抱えている

 壁。
 
 「高齢化」
 真の社会保障は…団塊の世代の大きな…
  これからの若者が支えられるのか

貯蓄率
 昔は14%(91年度)
 高齢化が進んで、貯蓄が吐き出されている
  →現在は7%

 (海外に流れてはいないの?

日本がこれだけ国債を吐き出しながら低金利はなぜ?
・輸出競争力 →外資を稼ぐ
・貯蓄率、下がってもアメリカほどでない

しかし、人口が減少したら… 働く人が減ったら…
高い生産性が要求される

牛耳る厚生労働省
 官の腐敗…

 国民は、怒りをぶつけなければいけない!!

日本の社会保障全体をどう国民が考えるのか

年金保険料の負担
 会社も含めて 18.35 に

介護保険
 20歳までにふたんさせようと… 経済界は反対している

30兆弱の負担を…


社会保障全体を、 全体で考えねば
 一人の人間が受けられる給付は、トータルで考えるべき
 いくらの給付を受けるべき?
 その負担をどうすべき?

→厚生労働省を解体すべき!
 新しい組織で新しい構造を考えなければ!!

財政負担もあわせれば、
 医療保険 26〜30兆
 産業としての給付と負担

保険料収入が上昇が限界にくると、
 世界との競争力(薬剤開発など) こうしんこくに負ける!
 
 ⇒混合診療を取り入れろ

 高齢化して、いずれ受ける薬の開発が…
 
 (日本で開発された薬でなくてもいい)

モノ作りは誰が育てるか?
マーケットが育てるべき

 (世界をマーケットにできない会社がいるんでないのか?)

今のような規制の構造の下では、いいものを開発できない
「健全なマーケットを」

 (日本をマーケットに、食い物にする必要はないでしょうに!)

官というのは、民がやれない仕事をするべき
郵政も民間がやれるのに、なんで公務員がやるのか
ヤマトが届けられない場所はない

「日本の中でビールが飲めない場所がありますか?」

非効率・怠惰
 国民への負担

株式会社
 質と効率性と選択
  国民にゆだねる!

入院生活
 不自由!!
 何のために働いてお金をためてきたのか?

人間ドック
 保険の対象外
 しかし、日本の中でもっとも進んでいるのは、胃カメラ
 人間ドッグが育てたのでは?

医療改革は待ったなしで行うべき

中医協の不祥事
経営者としての眼が曇っていた…

どのように改革するのか
「出直し的改革」

新しい視点の体系を!!
でなければこれからの財政は…
グルーバルな医療・医薬の競争からおいていかれるのでは

◆質問◆

株式会社の経営者であれば…
 深夜の人手がこわい…
 
 二階建てにすれば代わる
 階層化がすすむ
 社会が崩壊する!!

アメリカ
自由競争
 病院には選択の余地はそれほどない
 必要のない手術を行う!

階層化をどう考えているのか?

→公的な国民負担
これをどう平均的に享受するのか?という問題
お金を出してもいい、という人へ出すことをなぜ拒むのか?

薬 安全性
30兆円 無尽蔵に国民が負担すれば…
公平が維持される!
が、お金がなかった場合に

給付の平均額が減る
公的な保険が増えるのに、不公平があってはいけない
付加価値にお金を払う人がいないと…


◆それは、お金の分配でできる
 混合診療では勝ち負けができる
 カネが回らなくなる

→手術をするのであれば、いいお医者さんに手術してほしい
が、公平に順番をまつ…
いいお医者さんを増やすべき

いいお医者さんは、評価されるべき
医者の腕が上がるのか?


●櫻井先生

現行診療報酬体系の問題点

(→資料が充実)

・いい医者は、医療機関の中で、高い給料をもらっている

(余談)
中医協に不満足?
 見たことがないのに不満足な人がほとんど
 議事録もほとんど読んでいない
 申し込みは必要であるが、誰でも傍聴できる!!
  無責任な態度だと思う
 「わからない」と答えるべき

専門医は、病院の外にいる
 病院と契約して、手術をする

ところが日本では、外科医は病院の中にいる
 心臓の専門医でも胃癌の手術をしなければいけなくなる
 すべての専門医を病院がそろえられるのか?
 
 ドクターフィー ホスピタルフィー 分けるべき


●広井先生 (コメント)

「医療費の配分をめぐる…」

マクロ→渡辺
ミクロ→櫻井

自分は中間のはなしをする

予算
31兆
うち国の支出は8.1兆

 公共事業費よりも大きい

これからは、配分を考えるべき!

構造的問題
・入院部門の評価が薄い
・高次医療への評価が..。
・チーム医療が… 患者の心理など…
・医療の質の評価が…

昭和33年のシステム
 赤ひげ的診療の時代に作られたシステム…

医業収支差額の問題
 一般診療所にいくに伴い収入が上がる
 高次機能に薄い! 小規模にお金が回る…

開業医と勤務医の割合の推移
 だんだん勤務医が増えてきた

なぜ勤務医が多数派なのに、診療所にお金が向くの?

「一医療機関・一票説」?

病院9000 診療所10万

 勤務医は、管理でない限り診療報酬は…


現在の診療報酬
・病院に対して評価不十分
・「急性疾患モデル」が前提

受けてのニーズの積極的反映から見直さないと

→見直し
中医協の枠組みの中でのメンバー構成
政策決定プロセスで様々な手法の導入
中医協よりも上位の組織の創設


●近藤先生

「中医協に求められる視点」

1.日本経済の課題

アメリカとの比較…
 全体GDP 70%
 
 国民の労働時間 98%
 労働生産性 70%   ←ここが問題!!!

 日本の経済の流れを見てみる…
  GDP バブルの時にあがった アメリカ並みに それが下がった…
  労働時間 20%低下した
   (サービス残業は?)
 生産性 ほとんど変わっていない

 これから本格的な高齢化!
 
 労働生産性をどうするべきなのか…

産業の種類別に考える

 一次産業 …非常に低い
 2次産業 …93%  ←世界最高水準
 3次産業(6割の雇用) …61%  ←非常に低い!!!!

 サービス産業の割合は日本は、もともと低い?
 
 55年 一次が4割
 二次産業が伸びることで、日本の経済成長を支えた
  しかし、生産性があがって雇用が…
 
 →サービス産業の割合が…

2.医療分野における生産性の構造

医療の生産性

WHOでも世界最高評価

日本医療の生産性は、アメリカの75%くらい
25%、マクロのパフォーマンスは他のもののレベルの高さによる

日本 医療費 GOPに対して低い
10年くらい、日本の医療がもてはやされた時代
しかし… 指標はGDPに対してのものではない

DALY

アメリカ人の方が、疾病度合いが重い
 システムにかかる負荷が、アメリカのほうが重い
 
 (日本は早めに見るからでは?)
 
なんで?
安全性などが日本は高いため!
医療の質の高さによらない

「日本人は健康なおかげで、医療費が少なくすんでいる」

日本 薬の単価が低い


日米、医療費配分が、非常に違う!

 医薬品の割合が大きい
 労働の部分がかなり低い


質の問題で満足度が低い…

無駄な薬剤
無駄な入院日数
 29%あるのでは?
 そのため生産性が低い?
 
 今まで認可されていない薬・サービス
  本来足すべきもの
  かなり、ある。

 資源の再配分が必要
 
 全体の医療費は変わらなくても、雇用では100万人のインパクトがあるだろう


医療・社会福祉は国民の最大の関心事


医療改革の構造

意思決定の中核に、 →外枠
 厚生労働省      →内閣府
 日本医師会      →ヘルスケア産業
 自民党医療部会    →官庁 メディア


医者だけで医療産業をしているわけではないし、他も加わらないと…
日本の国民は半分が女性。
年配も。
この二つが人口としてかなりの割合
投票する人間としては非常に多数!!


医療は単体で見るのか? 社会保障全体で見るのか?
厚生労働省?  立法府?
⇒5つのオプション

年金と医療費の相互の関係…
 社会保障全体の枠を考えるべき

もうちょっと広い枠組みがあるべき


3.中医協の役割

◆質問

◆民間保険について
 医療保険をすべて民間保険にすれば?
 
 
→渡辺

貧富の差なく、職業の差がなく のばかげた年金
7万円の基礎年金!!

保険料をいくら払ったか、でなく国民全体が支えられなければいけない
基礎年金はみんなが払うべき
財源は消費税など

そうすれば、国民年金のように払いたくない人を追いかけるばかげたシステムはなくなる

年金制度という商品を、民間企業ならえる
商品の改革なくして、追いかける 政府

基本以外は自分で積み立てるべき

「結婚して子供ができたときはお金は払えない」
「落ち着いたら払える」

医療 60兆にマーケットは増える
入院したら、夜は看護婦も医者もいない 呼べない
マーケットは45兆円の規模までは拡大するが、
60兆まで使ってくれば、医療者も病院も充実する

今の財政事情では、貧富の差をなくすためには限界がある
限界を超えても、医療界は大きくするべき

医療産業を 窮屈な縛り、破綻寸前の中で封じ込めるべきではない

国民皆保険を崩すべきか、ではない
医療産業を拡大するべきだと言っている

日本の産業
 医療や介護や子育ての充実に向かう
 より質が高いものに向かうための自己負担を増やすべき
 
学校だって、そう。
もっと違う教育を受けたければ私立学校に行く

お金を払える人まで拘束するのは、いわばいじめ

→桜井

混合診療の解禁について

(規制緩和の委員会が出した図)

60兆になるにしても、保険料の分野は増やさないつもりでいる
保険を45兆に増やすのであれば、大賛成だが。

「3時間待ちの3分診療」
 一人15分ずつみたいのが、医師でもある。のに、文句を言われるのは医師…

→渡辺

同友会の意見では、

高齢化が進めば、枠が大きくなる
45兆でも、高齢者数はもっと大きくなるから、一人当たりは…

より近代化しながら、負担の合意を国民にもらわなければ。

→桜井

そうだからといって、混合診療を入れる必要はない
今入れたら、保険診療はのばさないだろう

日本人はもともと健康?
昭和35年ごろ
 アメリカと同じ寿命
 それからどんどん欧米化していた生活変化
 それなのに、寿命はどんどんアメリカを引き離した
 
 何が違ったのか?
 保険診療だ。

→渡辺

成人病。
不公平。
お酒を飲んで患った病気を、他の人が面倒見るの?
成人病の負担率が上がることはあってもいいのでは?
風邪37度なら病院にくるな、とか。

「自己責任と自己負担が、全体の経済性を支えるだろう」

→桜井

年よりは、無熱性肺炎のほうが怖い
医者にかかれればこそ、重症の肺炎を防げる

年金についてはまったくの賛成だが、あれはお金だけ

受診抑制
 日本人の寿命をへらすのでは?

タバコ
 日本は安すぎる!
 ひとはこ100円上げれば、1兆増える
 国際的価格の600円に上げれば…
 
 お酒やガソリンも
  道路とかにつぎ込まないで、健康に害があるのだから医療に持っていってもいい


厚生年金と同じ階段を医療費にも当てはめてほしい

健康保険と厚生年金の差
 厚生年金は183まで上げると決めたのに、健康保険料も上げてほしい

十分あがってから、混合診療を入れてほしい


→近藤

健康について補足。
アメリカの健康度合いはかなり悪化している
肥満が増えている

「ここまでやってからの混合診療」について

医師会は、もっとも強い
国民は、不安を抱えている
この5年くらいは、まだいけるかもしれない
が、20年を考えると…
そのときに、民間の部分がどう入ってくるのか考えないといけない

保険の度合い
 タバコも一案ではあるが、
 民間を入れていくことを、国民も期待している

最終的フレームワークを出してほしい


→渡辺

年金と保険の違い

年金 報酬の多い人がいっぱい払い、いっぱいもらう
 →上げることの合意がしやすい

保険 負担と給付が対応しない
 たくさん払っているほうが健康であったり…
 上げることへの合意が得られにくい
 
 それに、すべてをあげたら若者が外国に行ってしまう

今は、昔の徴兵制にかわって、
「皆医療保険」

高負担な国から、確実に海外に出て行く

  (健康なひとは、健康を恐れる能力をもっていないでしょ)

高福祉高負担
 15%から25%の消費税がなければEUからはずされる
 財政の30%の赤字があってもEUから外れる
   フランスとドイツの苦労…。
   財政の危機とインフラが、ヨーロッパの戦争のきっかけだったから
   
  財政・福祉のレベルを同じにして、
  戦争を起こさないようにした。

われわれは、アメリカと中国の間に挟まれなければ生きていけない
 アメリカは…
 中国はあきらかに低コスト
 
 ヨーロッパにあこがれては、生きていけない

(詭弁な気がするけれど…
 保険は国内独自のものだし
 またどうして視野・活動範囲がアジア一帯に広がれないのか?)

ものの考え方
 日本が新しく創造しないと
 日本が国民が、選挙でものを選択したことがない
 
 年金は基礎年金
 介護のレベル
 PPK
 
 国民が選択するべき
 民主主義
 選挙
 
 国民の知識レベルを上げて、選択するべき
 いい時期
 大変な試練だが…

<中医協のあり方に軸を戻す>

◆「中医協は医療費の配分」(桜井)
財源にも関与していないのか?

◆政府から独立した審査機関にしてしまったら?

中医協は、配分だけじゃなく医療問題(医療制度・医療のあり方)
を議論させてほしいとずっと話してきた
配分だけのところから改革させてほしい

水面下というが、予算は財務省が決めていること。

中医協の議論が入る前に、財務省が決めている
中医協が無視されていることが腹立たしい

そんな中医協が、たまたま贈収賄ということがあがって、
改革論が進むのは、おかしい

◆日医の委員が多いが、勤務医の意見はどう吸い上げているのか?

→日医の半分以上は勤務医
であるから、勤務医も病院も、日医が上げている

「日本医師会」
すべてに医師の意見を反映しているから、この名前がある

声を反映しないのは、声を上げないから

日本
 外来診療費がOECDで非常に高い
 対して、入院診療費は最も低い

勤務医は62%
しかし、医療費は80%使っている

今の診療報酬体系には、病院費を含めていない
医療安全の問題もある

それは、医師会のせいではなく、財務省の責任!!!
厚生労働省でさえ平成7年に40兆と予想していたのに、
10兆も押さえ込んだのは、財務省

◆医師会は自民党を見ている
開業医の診療費が問題になるときだけ

→入院医療費は今回あがった
外来は下がった

◆もっと差を治すべき

→選挙のときどれだけ票を集めたの?
 やらないで文句を言うな


→渡辺

病院にはものすごい人
需要と供給のアンバランス

仲間内のパイの奪い合いは…
保険料を上げるのは、限界。

病院、人がきても対応する能力はない
一生懸命やっても、患者はみんな不満

どうするのかは、あなた方が考えないと。
仲間割れは、どんどんやってほしい

リソナの店頭

◆収支がかってに決められている
アメリカがいいというが、
アメリカの健康は悪い
アメリカの社会が壊れているから

→渡辺


→桜井
日本が生きていくためにアメリカの言いなりになるというのはおかしい

マーケットを補うのが、社会保障
マーケットの補足をする。

医療保険はきちっとまもって、市場は市場の原理で発展するべき

→渡辺

アメリカの医療
アメリカの方が、客にとって

→桜井

日本のほうが選択の自由がある


◆日本の医療は不自由
保険の対象になっているものが、「ちゃんと利く薬」になっているように聞こえる
わがままいうのであれば、すべて払え、というシステム

大昔の薬が保険の対象
保険のシステムがいい加減
罰として混合診療が

→桜井
療養費で払うシステムがある
保険が払うことはできる!!
それをやればすむこと

◆それをやると病院が損をする
嘘を書く、先生たち

新聞に広告
混合診療でなくて助からないひとたちがい
がん患者たちも、金があったら、団結力があったら、

→「急ぐんだから赤信号をわたらせろ」
ではなく、救急車や警察がくるのを待つべき
そこに自由をいれてしまっては、全体のシステムが壊れる

◆うそつき!

◆中医協が勤務医を代表しているというが、
200床の病院に勤めていても、入っているのは院長・副院長
入っても、意見が合わないから
50床の小さなところでは全員入っている
それらもまとめて勤務医とするのは、おかしい

→大学病院もたくさん入っている
 調べて、報告します。
医師会にあわないから、というのではなく
入って意見を言ってほしい


◆高本先生

医師会に自分も入っているが、
A会員(年間30万)とB会員(年間8万)

B会員の意見は反映されない
その二種が同じ票であればいいと思うのだが

保険を増やす? なかなかあがらない
特定医療費はすぐにはいけない

日本。一世代遅れた人工心臓を今頃治験。
解禁とまでは行かなくても、一部は認めるべき

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