« 混合診療について | メイン | 「私は医療をこう動かす」 »

東大ノート(日野原重明先生)

日野原先生の講演がありました。
久々にちょっと先生とお話できた。今度インタビューいく約束を再確認できた。今度いこうっと♪

----------
1215 

◆日野原先生◆

若いころは結核や腎臓病で休んだ
そのときにいろいろ勉強した
それが、90歳以後の生活に、いろいろな意味をもった

「日本の医療はどうであるか」

講和条約 のときに留学
39歳だった
ドイツ語で鍛えられてときに、英語にいった
30年遅れていた

ドイツ医学は基礎に集中
臨床医学ができていなかった

カルテもドイツ語の時代…

わずか一年だったか、毎日身長が伸びているような感覚
医学の面白さ
充実した一年を過ごせた

67年間、臨床医医学をやった
戦前の無駄な医学
戦後も変わらない…

昭和45年
 インターン制度をやめてしまって
 卒後、国家試験で医師の免許、と。
 
 「野蛮な国」
 有給で卒後研修を。
 受けたい人にだけできるように、を作れた
 
 必修義務にする!
 昭和50年から厚生省に申告し続けた
 それが、実現できたのが、やっと今年の4月…

 昭和45年から、卒後のカリキュラムが、なかった日本

日本の国立大学
いい内科教授が臨床に出ている。えらい。
35年間で到達するレベルに、アメリカは15年でなれる

システム化していない日本の研修

日本のようにただただ回診でついていく
反対しない。そうだと思い込まされる

日本。エリートであるはずの医師から、一人もノーベル賞が出ていない。
何かが間違えている

ノーベル医学生理学賞を唯一取れたのは、生物出身の利根川進


19世紀から
限りない医学の進歩
限りなく増える高齢者

「医療費は、いる」

30兆を越えた医療費
80兆を越えるのも間近

台湾と韓国の医学教育のよいこと!
すべて英語で勉強している
ベトナムもすばらしい

対策がない、日本。
脆弱な老人が増えている
寝たきりが増えている(2/3が寝たきり)

アメリカ、100歳以上の人間は日本の倍

日本は、乳児死亡率が低いから寿命高いだけ

「科学の進歩が人類の進歩と同意義となりうる道を探求する」
今、科学の進歩と医学の進歩がパラレルでない

良くないものを輸出しなければいい

アメリカ・ロシアが外国へ武器を輸出しなければいい
そして科学者はそれにのっている

タバコを輸出するアメリカ
アヘン戦争と同じ

オスラー
「モデル」をアメリカで発見した


『サイエンスとアート』

日本にはもともと「医」しかなかった

「学」が好きな日本

medicine


医→医術 →医科学       →バイオエシックスの導入
  (医道) (失ったものがあった)

医学  応用科学
 evidenceがなかなかでないのが特徴
 患者がそれぞれ個性があって違うから
  同じ痛みを与えても、反応違う

 全人性の必要性
   社会科学、人文科学、習慣、 、 、などなどの上にある医学


Art から Scieneに変化した、医学

オスラーが言った
「医学は、science に基づいた artである」

手を握るだけで、安心感をもち、患者は変わる

10年間なおらなかった患者と1時間話す
すっかり変わる、患者!

方向を変えるような、間違った医学


音楽
 理論。テクノロジー
 しかし、演奏家によって違うから、みんなコンサートに来る

 ピアノのタッチが違う
 Performance
 
 医もそう
 「どのようなタイミング、どのようなタッチ、どのような言葉」

 「わざ」
 evidenceだけでは、それらが出ない
 
 Body, Mind,    Spirit(Faith) 
           →ひとを変える、大きな力を持っている

 「気をもらう」
  ひとが変身する
 
 火あぶりされても耐えられる
 未知なる物を人間は持っている
 
 
 …医学はどうすればいいのか?
 
 ガリバーの老人の国の物語
 日本もそうである
 
 非常に速いスピードで高齢化していった日本
 
 介護と医療
 国の財政がパンクしている
  …介護を簡単にしようという方向に動かざるを得ない
  
 癌が治る薬であっても大変だから、自費でやれという政府
 そして、混合診療
 
 不公平をやめろという医師会
 
 不公平とはどういうこと?
 社会ははじめから不公平
 
 技術の導入
 効果を出すまで、と、時間を稼ぐ政府
 
 混合診療。ものすごく混乱している
 イギリス 65歳以上は人工透析できない (自費でしなさい)
  法律で決めた
  やめれば、2週間で死ぬ

日本はどうするのか、考えなければならない

日本の老人

25%は元気
50%は典型的
25%は介護が必要
うち5%はかなり介護が必要

→要介護をしているひとを教育すれば、50%にはいるだろう
  酒・タバコなどをやめさせれば
  
 めいめいの教育、をすればいい! 小学校から。
 
 カナダ 胸の写真をタダでとることをやめた
  タバコをすうことをやめさせた
  安いお金で肺がんは半分に減った
  
 教育が、いちばんいい
 有効性と目標をはっきりさせないといけない

日本はドイツの保険制度を昭和36年に取り入れた
 世界で早いほう

しかし、福祉は世界でもっとも遅い(昭和57年)

→75以上を老人とするべき(定義を)
 それまでは自立するべき

 今、その運動がアメリカ、ハワイに広まった
 
 自覚した、老人。
 健康感がある老人
 
 生まれながらにハンデキャップをもつそれぞれ
 
 自分が幸福感を感じれば、幸福
 
 「哲学詩」をはじめた
 
 
 英国は家庭医を通じなければ医学は受けれない
 無駄がない
 
 対して日本は無茶苦茶
 医者にかかるシステムがない
   無自覚であるとなにもしない
   医学をうけるためにいろいろな手段がある
  繰り返す検査
  医療費の、無駄
 
 外国は、レントゲンをとったら、検査をしたら次の施設に持っていく
 日本は、お金になるからどこでも検査する
 
 検査が外国の3倍ある日本
 診察費は安いから、検査で稼ぐ…
 腕で金が決まらない
 時間でも決まらない
 
 均一主義
  間違えている!

 日本は、医者にお礼とお歳暮と、袖の下、が発生する
 きちんとした調査をしなければいけない!

病院、外来が多くて困っている
どうしても3分診療になってしまう
こないようにすることが非常に難しい
開業医にかかるより、病院にいくほうが診察費が安い
病院ではいろいろな医師にかかるし…

日本には、政策に哲学がない!


研究:住民1000人について一ヶ月の間に生じる…
アメリカとの比較

日本は、問題があるときにいく場所がめちゃくちゃ
病院を受診する人間が、アメリカの4倍(88人)


◆質問

2週間前、聖路加の救急にお世話になった。
療養環境が非常にいい、と評判の聖路加。

ただ、ベッドがない
3万円かかるが、いいですか? と聞かれた
結局、聖路加に入院することは断念。

差額ベッドは大切
しかし、聖路加における救急部の位置づけは?

→520のベッド
260は差額なし

それは、待っている人がすぐに入る
ルカは、平均在院日数が10日(日本でいちばん短い)
結局、よそで入院するより安い
付き添いも、いらない

260は、とらないというサービスをやりながら、出せる人からお金をもらっている
198億
30億の赤字

ルカは、看護師が国立の2倍
医者は、三倍

アメリカは、ルカの2倍、医者・看護師がいる

ところがアメリカは、半分の在院日数

全体を見ると、ルカのシステムはいいと思う


◆ルカでの救急

→しなければ困るときは、する
 費用は、無理矢理つくる
 どうしようもなければ他の病院にベッドを探して手術する
 
 命が危ないという患者を帰したことはない
 
→救急は、病院では赤字
 だから、虎の門には救急ない
 ルカは、一次二次三次全部ある
 
 赤字をペイしてくれることは、国も都もやらない
 
 中央区と日本橋の子供を見ようとしている
 小児センターを作る
 赤字
  
 財団法人には免税ないから…

 自衛隊の1%をくれればすべて解決するのに。


◆アメリカ式をルカではやっている
 プライベートみたいなかんじに
 
 日本で公立病院 必要なのか?

→公費が使えるから、赤字でも経営できる
 民間は、給料を払わなければいけない。

◆しかし、公立病院は差額ベッドがとれない
動けるようになったら、だす
転院する
そこに税金が使われている

→教育して、在宅に持っていくように、努力する
 転院は、なかなかとってくれない
 
 植物人間的な救急がたまっていて、困っている。。。
 後方病院を探している..
 
 楽になったら動ける先が必要
 しかし、家族はなかなか来ない
 救急での長期入院は今多い
  差額は取れない

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dream-hosp.net/cgi/mt/mt-tb.cgi/1973