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似非科学?ナースキャップ廃止について

ナースキャップ、あまりあらうことがないものだから、汚い、という理由で廃止になったときく。
でも、なんかおかしい、と見ていて思うのです。

ナースキャップが汚いというけれど、でも、もっと汚いものをほとんどの医療者がみにつけていると思う。それは、腕時計。かく言う自分も、ないと困るからつけてしまっている。ほんとうは胸に下げる時計が一番いいのだけれど、なかなかいいものが売っていないので…。

そう、腕時計、ものすごく汚い…
このあいだ、綺麗にしてみようかな、と、家の近くの眼鏡屋さんの店頭にあったソニケーター(超音波洗浄器)につけてみた。洗ってみた。

…そしたら、ものすごい汚れが、水一面にひろがっていった(眼鏡屋さん、ごめんなさい!:滝汗)
腕時計の汚さを実感した日でした。
まあ、年がら年中身に着けているのだから、当然だろう。

で、そんな汚いものをふつうの医療者は、一番綺麗にしなきゃいけない手のすぐ傍についけて、患者さんに触っていることになる。ちょっと意識はしてもいいことだと思う。

でも、だからといって、全面的に廃止すべき、とは思わない。
重要な、求めるべきアウトカムは、「院内感染を防ぐ」ということ。
腕時計を全面廃止すれば院内感染を防げるかどうか、という事実が重要。
それなしに全面廃止というのは、evidenceに基づかない、非科学的な医療。
まあ、医療自体、科学的であることはコアではなく、治療する、というところがコアだから必ずしもevidenceに基づかなくてもいいだろうとは思う。

結論。書きたいこと。
それは、腕時計のように、ナースキャップよりずっと汚いものを許可しておいてナースキャップ廃止というのは、バランスの崩れた選択だ、と思うのです。意味が、ない。


だいたい、人間なんてもともと汚いんだから、けっこう汚くてもだいじょうぶそうだし。

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