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2007年04月30日

医者とMRと

医者って仕事ってなんなのか、製薬会社ってなんなのか、医療で飯をくうってなにを意味しているのか。そんなことを、ときどき考え込む。

研修医一年目のときに、今時珍しい神経梅毒疑いの患者を担当したことがあった。錯乱状態で病歴もまともに取れず、精神科に送っても精神科疾患ではない、とつき返され何とか見つけた診断が、神経梅毒、だった。小さな病院で研修していたので経験のある先生もいなくて、必死になって情報を集めた(結局、神経梅毒である、という証拠はつかめなかったけれど…。できる検査の感度が低いから、肯定も否定もできなかった…。まあ、治った事実はあったけれど)。
そんなとき、某抗生剤の使用方法についてぼくが分からなかったことを病院の薬剤師が製薬会社に聞いてくれたら、その使い方とともに病気についての情報をたくさん送ってくれた。すごく、嬉しかった。

でも、つかった薬はタダみたいな値段で…

ときどき考え込む。
MRさんたちはいろいろ新しい薬を売り込んでくる。古い薬は安いから。新しい薬の方が利益が大きいから。
でも、実は古い薬はとてもいい薬であることが多くて…
新しい薬は副作用が分かっていないだけのこともあって…
なのだけれど、利益をあげなければいけないのが製薬「会社」というもので。

一部の医師は、MRを非常に嫌う。まあ、製薬会社の情報のままに薬を使い、保険を無駄遣いし、副作用を増やし患者を傷つけ、耐性菌を増やし厄介な状況を増やしている医師が多いのは事実で。でも、利益を出さなければ薬を生産し続けることができない、という原罪、は製薬会社から切り離すことはできなくて。

医療で飯をくうってなにを意味しているのか。
そんなことをときどき考え込む。