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医師後期臨床研修制度のあり方に関する研究班 報告書

とても興味がわく報告書がアップされていたので報告です。

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「医療における安心・希望確保のための 専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)
のあり方に関する研究」班 報告書
http://medtrain.umin.jp/research/sokatsu.html


◆◇研究班の総括報告書の骨子を公開しました◆◇
本研究班では、9月22日の発足からこれまで11回の班会議を開催し、議事および
資料を公開し、国民の皆さまと議論を共有しながら、幅広くご意見をお伺いして
まいりました。研究班の活動につきましてご理解、ご支援くださいました関係各
位に御礼申し上げます。このたび研究班の総括研究報告書の骨子を取りまとめま
したので、ご報告いたします。
「研究班トップページ」からお入り下さい)
http://medtrain.umin.jp

◆◇第11回班会議(最終回)を開催しました◆◇
我が国の土壌にあった医師の後期臨床研修制度のあり方と研究班報告書の骨子に
ついて、公開にて議論を行いました。多くの傍聴の方のご参加をいただき、御礼
申し上げます。

◆◇用語集を掲載しました◆◇
研究班にて議論し、本研究班での報告書に用いた用語集をホームページに掲載し
ました。
http://medtrain.umin.jp/etc/term.html

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(以下、小池の私見)

「専門医・家庭医」と研究班の名前はなっていたところが、
報告書の前のほうにみられるように徹底的に家庭医・総合医について議論され、
「家庭医・総合医、専門医の養成プロセス…」というように、それが前に出てき
たのは、家庭医・総合医の後期研修をしている自分としてはちょっとうれしかっ
たです。

…なんで、家庭医・総合医があんまり重要視されないのか。
それは、病院という効率的にデザインされた患者の人生の中では(基本的には)
瞬間的な空間で、専門医療はひとの生命を救うために全力を尽くす。対して、患
者の生活や街の中という時間的にも空間的にも幅がある空間で、家庭医・総合医
はひとのいのち・人生をサポートするのに全力を尽くす。
おそらく後者は、幅がありすぎて不明瞭。把握しにくくて評価しにくい。それは、
医者にとって満足しにくい、または満足と自覚しにくいということ。

でも、医学と生活という基本的だからこそ整理されてこなかった境界領域である、
家庭医・総合医。ここが整理されて元気になれば、きっと医療全体で歯車がかみ
合ってくるのでしょう。
だからこそ、この研究班では多くの時間をその議論に使ったんだろうな、と感じ
ました。


…肝腎の骨格、『卒後医学教育認定機構(仮称)の創設』について。
医者を、「人手が足りない科に行かせればいいんだ」「僻地に送ればいいんだ」
という単純な議論を乗り越えるためにも、ほんとうにその部分は整理しなければ
いけないところだと感じます。
きちんと動ける医者を配置しなければ、そしてその場所で働くことに喜ぶ医者を
配置しなければ、医療の問題は解決し得ない。それがわからないと、上の2つの
ような単純な議論になる。そのあたりを整理するためにも、明瞭なかたちで卒後
教育問題は整理されないといけない。


某病院評価機構のように、どこまで患者と病院のためになっているのかわかりに
くい仕組みにならなければいいけれど。

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