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2009年05月20日

小池宙の属性

ひさびさに書いてみる。

「小池先生の属性ってなんですか?」

学生時代に国際保健をやり続け、研修医を終えたら国際保健の道に進む予定の後輩に、そんなことを聞かれた。

…振り返ってみた。
学生時代、いろんなことをやった。
薬害ヤコブ訴訟を支える学生の会をつくって関わったり、医療経営というと「金勘定なんてするな!」とヒステリックに怒られる時代に「誠実に営み続けるための」医療経営の勉強会をやったり、職種・専門の有無の垣根をこえて交流する医療系のネットワークをつくったり、医療過誤訴訟による医療者・患者間の対立が険しかったころに原告の間で勉強させていただいたりした。
いろいろやっていて、軸、と呼べるようなものは基本的にはない。

だけれどきっと、ちょっと手を伸ばすとそこにある異世界、コロンブスの卵的に住民を元気にする物事、そういったことに手を出し世に広める仕事をやり続けていたのだと思う。
だが、そのころはまだ学生でありまたぼく個人の経験の問題もあり、それらの専門家になることはできなかった。そのため、やり続けることはできなかった。


そんな自分は、最近は東洋医学に気持ちが向いている。

…今の日本で東洋医学は、新型インフルエンザでいうフェーズ3の段階にある。つまり「【鍼灸師・治療家】から【医師】への新たな知識の伝播があるが、【医師】から【医師】への伝播がないかあっても稀である状態」だ。
世界ではWHOやICD-11などで真剣に研究され、大学での医学教育でも必修となっているが、日本国内の臨床ではほとんど注目されていない。しかし、興味を持つ学生・研修医は増えつつあり、臨床現場でもぼくのように漢方と鍼灸を西洋医学に併用している医師は全国に散在する。そして患者も、一時期は国民皆保険によって西洋医学に吸い取られたが、少しずつ東洋医学にいく人間も増えつつある。

爆発的に伝播する時が、数年以内に必ず来る。

我流な面はつよいけれど、治療家としては平均値以上の勘を持っていると自分では感じる。そろそろこの分野に属性を置いて、同時に地域医療というフィールドに身を置いて、突き進んでみようかと思う。