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2009年11月23日

署名のお願い! 漢方保険はずしについて

各団体から漢方保険で使い続けることができるようにするための署名活動がはじまった.ぜひ皆さんもお願いします!!

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平成21年11月20日

漢方を健康保険で使えるように署名のお願い

NPO健康医療開発機構 理事長 武藤徹一郎
社団法人 日本東洋医学会 会長 寺澤 捷年
日本臨床漢方医会 理事長 石川 友章
医療志民の会  共同事務局長  木戸寛孝

 11月11日(水)の行政刷新会議事業仕分け作業の結果、一般用薬類似医薬品
(OTC類似薬)(漢方・ビタミン・湿布薬)を保険給付からはずすという財務省
案にワーキング・グループ15名のうち11名が賛成しました。

 この議論は長年自民党政権時代に政府ならびに財務省が再三提案しては消えた
案件ですが、今回の仕分け作業の中で、他の課題と一緒くたになって提出されま
した。過去には平成5年、6年に日本東洋医学会が署名活動を行い、それぞれ、2
週間で24万名、3ヶ月で148万名の皆様から署名を頂戴しております。

 しかしながら今回は平成5年、6年にあった保険給付はずしと異なり、診療報酬
の問題等大きな問題の中で埋もれたまま、仕分け作業班の意見が通ってしまう可
能性もあります。

 仕分け作業が終わるのが11月下旬、審議に持ち込まれる12月上旬には政刷新会
議仕分け結果の審議が行われ、そこで決定されると他の案件とともに、漢方の保
険給付がはずされる危険性が大です。

 漢方は医療の現場で医師の7割以上が用いて、がん患者さん、更年期障害など
の女性疾患、花粉症などのアレルギー疾患、腰痛、膝関節症などの疼痛管理など
に、医療の現場で医師が使うことによって、大きな効果を挙げており、医療とし
て欠かせない薬です。今回の行政刷新会議の判断は国民不在のものであり、断固
として阻止すべきと考えます。

 時間は限られており、2週間で可能な限り署名を集めたいと思います。会員の
皆様方に置かれましては、お忙しいところ恐縮ではありますが、国民の健康を守
るために是非ともご協力ください。


 電子署名をするサイトはこちら。

署名のお願い: これからも漢方が健康保険で使えるように
https://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=dFgyVjdwa21TZXY3Vk12aDBkOFhGVEE6MA
(署名フォーム)
http://kampo.umin.jp/

「事業仕分け」で漢方薬を保険適用外とする結論について

事業仕分けで漢方薬を保険適応外にしろという議論が出た.あったまにきた.おれがみている患者さんたちに,死ね,といっていることだからだ.MRIC 医療ガバナンス学会に投稿した.こちらにも転送しておく.

もう一歩先,にいきたいとき,漢方薬はとても便利.救われない,救うことができない,とされたひとたちを救うことができる.それを,やめろと.人殺しの結論は,撤回していただきたい.


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 ▽「事業仕分け」で漢方薬を保険適用外とする結論 ▽

   佐久総合病院附属小海診療所 後期研修医
         小池宙

2009年11月22日 MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
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これからは政治主導
鮮度抜群の”産直ネタ”満載
読まなきゃ損する『ロハス・メディカルweb』
http://lohasmedical.jp
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皆様からのご寄附をお待ちしております!!出産の際に不幸にしてお亡くなりになっ
た方のご家族を支援する募金活動を行っています。お二人のご遺族に募金をお渡しする
ことができました。引き続き活動してまいります。
周産期医療の崩壊をくい止める会より http://perinate.umin.jp/
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『内閣府の行政刷新会議が実施した「事業仕分け」を受け、漢方薬等の市販品類似薬を保険適用外とする方向性で結論が下された』

 ニュースを読んだとき、眼を疑った。次に患者さんたちの顔が浮かび、そして怒りと
悲しさがわいてきた。

 自分はまだ医者として4年目、漢方薬を少しずつ使い始めて2年目程度。しかしその
短い経験の中でも、漢方薬を使わなければなくなられてきた方を私は何人も見てきた。
 たとえば先週CVポート(高濃度の栄養剤を点滴するための器具)を抜去した患者さ
んも、そんなひとり。
 大腸穿孔の手術後に大きく衰弱、その後も絞扼性イレウスで小腸を半分以上切除、そ
の後重度の食欲不振となりほんとんど食事を取れない状態で、CVポートからの連日の
点滴という状態で在宅診療導入となった。毎日の点滴がつらく、ほとんど食べれないの
に点滴をはずしたいとよくおっしゃっていた。何とかしたく、六君子湯と大建中湯をそ
れぞれ1包ずつ内服とした。その数日後電話すると、飲むとおなかが痛くなるからやめ
た、とのこと。仕方がないなとしばらくみていたところ、娘から強く勧められてしぶし
ぶのむようにしたところ徐々に食欲回復、毎日三食、小さな茶碗に1杯ずつ食べれるな
っていた。そんな状態で、ポートが感染し、点滴をすると発熱するようになった。食事
を取れるようになっていたので問題なく抜去することができた。もし、この患者さんに
漢方薬を使わなければこの方の食欲は回復することはなく、食事が取れなければポート
を抜くことが難しかった。なにより、漢方薬にて食事のおいしさをまた味わうことがで
きるようになったのは、診療させていただいていてとてもうれしかった。
 他にも漢方薬で元気になったいろいろな患者さんをみた。たとえば、膵臓癌手術後の
重度の食欲不振、胃がないので腸ろうを作成し栄養剤投与していても吸収せず、蛋白質
の低下から全身浮腫と胸水進行し入院となった患者さんも印象的だった。利尿剤でも改
善しなかった全身浮腫が真武湯で改善。その後も血中の蛋白質が増えなかったため人参
養栄湯を使ったところ、徐々に蛋白質増加し状態安定。念願の家に帰ることができた。
 重度の心・腎不全で点滴での治療をどうしてもやめることができず退院することがで
きなかった患者さんで、牛車腎気丸を使ったところ、浮腫が取れ点滴から離脱できた方
を、2例みた。
 老衰による食欲低下で状態悪化しているひとで、六君子湯を飲んだところまた食べる
ようになった人を何人もみた。
 進行乳がん、乳房は崩れ肺にまで癌が進行したがホルモン療法でなんとか進行を抑え
ることができた方も記憶に強く残っている。癌は抑えることはできても全身衰弱強度。
ベッドに起き上がるのがやっとお風呂すら介助なしには入れない状態で家に帰り、在宅
診療が始まった。六君子湯と当帰芍薬散を使ったところ徐々に元気になり散歩もできる
ようになったため、半年後の今は私の外来に歩いて通ってきている。

 今自分は在宅診療を中心に仕事をしている。在宅にはいろいろな意味で限界の状態で
生活されている患者さんばかりだ。がん患者さんも多い。そういった方たちには漢方を
上手に使うと、元気にまた生きて行けるひとが多くいる。漢方を保険からはずすことは、
本来生きることができるひとたちを殺すこと。先に示した患者さんたちを殺す決定。そ
んな決定には、患者さんたちのの元気を望む医者として認めることはできない。再検討
いただきたい。

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今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いただけましたら幸いです。

MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp
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