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2008年08月04日

『The ICU Book (Third Edition)』(日本語訳)

http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4895925005/chuchublog-22/ref=nosim「The ICU Book (Third Edition)」(日本語訳)
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4895925005/chuchublog-22/ref=nosim

これはもしも持っていなければぜったい買うべき本!

重症患者の管理。難しいです…。
Evidenceがあやふやな、けれどもやるべき治療も多く、またマニュアル本はいくつかあっても重症患者の管理の全てを総まとめで書いている本はほとんどない。そしてまた、いろんな常識、でも一歩病院の外に出れば非常識、な重症患者の管理方法っていろいろあり、さらに迷う…。そんな中、確固たる足場を築くために最高の本! ひとりの医師の手で(!)書き上げられているため一貫性に隙がないところも安心感が大きいです。
こまかいところではちょっと気になる部分もあったりもするけれど、でも何よりも、こんな知識がありがたい、というpearlsがちりばめられていて読んでいて感動します。一度じっくり、読むべきです。


…日々の仕事に忙殺されてずうっと読み終えることができていなかったこの本を、やっと読み終えることができて心地よい達成感に包まれている小池でした(^^)

『がん患者の感染症診療マニュアル』

『がん患者の感染症診療マニュアル』
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4525423218/chuchublog-22/ref=nosim

ぼく自身はがんの患者さんを診ることが少ないので、気になって買ったはいいけ
れど、ずっと積読していた本でした。でも旅行にいくときにちょうどいいサイズ
の本を…と見渡していたらたまたま眼に入って、カバンに放り込んで読んでいた
らとても面白かった!!!
『がん患者の…』とかいているくせにそうではなくて、『入院患者の…』だとつ
くづく思います。

感染症は知識も大事だけれどまずたいせつなのは、5つのステップ。

@患者背景
AFocus
B病原体
C治療方法
Dその後の経過

この本はそこに徹底的にこだわっているのでただ読んでいてもトレーニングにな
るし、そして研修中に必ず目の前に現れる感染症の患者さんを前にどんなことを
考えればいいのかをきっちりと教えてくれる。こんなふうに感染症医の頭の中身
を整理してくれている本は、ぼくは読んだことはなかった。

特にぼくは、Dその後の経過、が読んでいてとてもうれしかった。感染症の患者
さんの状態をどうフォローすればいいのか、とても悩んだ時期があった。勉強す
れば勉強するほど上の先生とぶつかるし…。体温下がって元気でFocusもよくなっ
ている患者さんのCRP計測しなくちゃ嫌な顔されたりするし…。
まあわざわざ上司とぶつかる必要はないだろうけれど、やっぱり論理が重要な医
師の修行中であるからには、地域的・施設的・習慣的な形式ではなく、理論的な
形式を身につけたいところで。それを明示してくれるのは、とてもありがたいで
す。


でも、監修の大曲先生とその後お話させていただく機会があってそこのところを
話したら、あれも悩みながら思い切って書いたんだよね…でも誰かが思い切って
書かないと議論も始まらないからえいやと書いたんだ、なんてことをおっしゃっ
ていました。そこのところもかっこいいなと思います。

しかも白衣のポケットに入るいいサイズ。感染症の思考パターンを頭に刻み付け
たい研修中の方は、ぜひ!!

2007年08月16日

「レジデントのための感染症診療マニュアル」

「レジデントのための感染症診療マニュアル」6000円
最近の若手医師の感染症を学ぶときのバイブル! バイブルというくらい、いいほん!
でも、青木先生たち中心にあたらしく翻訳された 「感染症診療スタンダードマニュアル」もいいかもしれません(自分もまだ読み途中なので紹介できません…)

2007年08月11日

「急性腹症の早期診断 病歴と身体所見による診断技能をみがく」

「急性腹症の早期診断 病歴と身体所見による診断技能をみがく」 4000円

この本もほんとうにすばらしい!!!
1921年の初版から、改訂され続け、いまだに広く読まれ続ける名著!!
経験をつみ、おそらくは様々な数々の失敗を血肉にした頑固こだわり外科医のプライドが行間からにじみ出ている。かっこいい…と読んでいて感じます。うすっぺらい病名をたくさん並べればよしとされる流行の鑑別論などではなく、無機質に確率論で考えるのでもなく、病歴聴取と身体診察に基づいて徹底的に病態生理を考え抜いて考え抜いてそして決断した上で、でも適切なタイミングで、腹は開くのだ!、という外科医の誇りに満ちています。
100年近い歴史を背負いつつも今も新しいその内容は、触れておく価値があると思います。ほんとに。

2007年07月21日

「マクギーの身体診断学」5900円

「マクギーの身体診断学」5900円
これは素晴らしい!!!
身体診察の基本って、なかなか体系だって学ぶことは医学生時代できなかったと
思う。国試にも出ないし。また研修医になってもやっぱりまとめて学ぶことはで
きない。また、病気だからといって必ずしも身体所見がでてるわけがなく…。感
度・特異度・LRとどう身体診察の所見を結びつければいいかなんて、まったくわ
からない。上の先生たちが教えてくれる身体診察方法をみようみまねしていても
限界あるし…。
そんな身体診察を徹底的にまとめ上げた本。素晴らしいです。一年目にこそ読ん
でおくべき、必読の書。

2007年07月20日

Dynamed

今日も医学の資料の紹介。

「Dynamed」
http://www.ebsco.co.jp/medical/dynamed/ 

非常にお勧め!!
最近の知見を常にupしているonline教科書としてはUpToDateが有名だけれど、あ
れは情報が多すぎる…。それぞれの記事の形式も一定でなくて、読みにくい…。
英語が大得意なひとや、得意分野について調べるときとかにはいいけれど、凡人
研修医には向いていないッス…(−−;;
対してこのDynamedは箇条書きに見出しつきで情報が並んでいる。診断指針のみ
が読みたかったり、予想される経過のみが読みたかったり、治療方法のみが読み
たかったり、ということはよくあるけれど、そんなときにはUpToDateよりはるか
にはるかに簡便。各検査の感度特異度、各治療のevidence-levelも丁寧に整理さ
れているのもいい! 情報量がコンパクトな分、調べたい情報は出ていないこと
もままあるけれど。でも、いい!!
研修医は1年間が2万円。2ヶ月無料で試せるし、落ち着いたら早いうちに申し込
んでみるといいと思う。

2007年07月19日

研修医が読むべき本など!

しばらくブログを書くことをサボっていたので、いいなと思った本の紹介をしばらくしてみることにする

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「今日の診療」
今日の●●シリーズがひとつのプログラムにまとめられていて、しかも見出しだ
けではなく本文の中まで検索をかけてくれるすぐれもの。
診断に困る症状の患者がきたときその症状を入力すると、その症状に当てはまる
病名を探してくれるという裏技も困ったときは便利…(汗)。でもそんな使い方
はあくまで裏技的に…
医学用語の和英・英和辞典としても非常に便利!
でも、今日の診療は「私の場合はこんなふうに治療している」というevidence的
な書き方にはなっていないことも多いので頼り切らないことが大切です。
…あんまり使いすぎると実力身につかないので、ほどほどに…

2007年03月02日

「マクギーの身体診断学」

ひさびさに本の紹介。

「マクギーの身体診断学」

身体診察。
OSCEなどでいろいろ習いはしますが、結局のところどんな病態生理の裏づけがあるのか、どれくらいの意味・意義があるのか、どんなテクニックがあるのか、その全体像を把握することはなかなかできませんでした…。
この本は、そんな身体診察の技法を、技法、病態生理、感度・特異度・LR、歴史、などなど丁寧に記している本です。あと、山ほど並んでいる感度・特異度・LRの表を見ながら、そういったものを利用していかに使って病気の確率を考えていくのかを練習するのにもとても便利。
この本を読んで、ぼくはいろいろ目が開きました。国試には役に立たないけれど(汗)、医学生・研修医は一冊持っていてもいい本だと思います。